ばんえい競馬と平地競馬

◆コースの違い◆

平地競馬ではスタートゲートが移動式なので、短距離から長距離まで豊富なレース番組を組むことが出来ます。


これに対し、ばんえい競馬のスタートゲートは固定式で、コースは200mの直線コースに限られます。


また、平地競馬はオープンコース(スタート後の位置取りは自由)が当たり前ですが、ばんえい競馬はセパレートコース(決められた走路を走る)で行われます。
(発足当時には、ばんえい競馬でもU字型のオープンコースでレースをしていましたが、コーナーでインコースに殺到する馬が多い等危険なことから、昭和38年に現在のセパレートコースが誕生しました)


馬場状態は、平地競馬が良、やや重、重、不良で表示されるのに対し、ばんえい競馬では、走路に含まれる水分を数字(パーセント)で表示します。


雨や雪で水分が多くソリが滑りやすい馬場を「軽」、晴天で水分が少ない乾いた馬場を「重」と表現します。


平地競走のダートコースでは「重」馬場の場合、一般的にタイムは速くなりますが、ばんえい競馬では逆にタイムは遅くなります。


◆ゴール判定の違い◆

平地競馬では、たとえ鼻先でもゴールラインに達すれば「ゴール」と判定されますが、ばんえい競馬では、ソリの後端が完全にゴールラインを通過するまで「ゴール」と判定されません。


これは「荷物を全て運びきるまでレースは終らない」という理屈ですが、実際、ばんえい競馬では、鼻先だけゴールラインに達してパタリと止まってしまうこともあり、身体の部位でゴール判定することが極めて困難であることも理由のひとつです。


◆競走馬・騎手の違い◆

ばんえい馬はレース中に騎手を乗せないので鞍や鐙を必要としません。その代わり、背ずりや胴引など、馬とソリを繋ぐたくさんの用具を装着します。


ばんえい競馬の出走時に発表される「ばんえい重量」とは、ソリと積載重量の合計で、馬具・用具の重さや騎手の体重は含まれません。


平地競馬の騎手に比べて、ばんえい競馬の騎手には大柄な騎手が多く在籍します。手綱だけで馬を操るにはある程度の体力や腕力も必要とすることから騎手重量は77㎏と定められています。


体重が騎手重量に達しない騎手は、おもりを入れた通称「弁当箱」という箱をソリに積んで調整します。

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競馬では、騎手や手綱のことを「馭者」と呼ぶことがあります。
「馭者」には「馬や馬車を操って(動かせて)走らせる(人)」という意味があります。


ばんえい競馬の騎手は、馬の背に跨ることなく、馬の口から3メートル近く離れたソリの上から手綱一本で馬を操らなければなりません。


馬に人の「意思」を理解させるためには、毎日の調教の積重ねが非常に重要になってきます。


レース中、第一障害と第二障害の中間地点を見ていると、騎手が止める動作することなく馬がスッと止まることがあります。


これは、いわゆる「馬なり」とは少し異なり、騎手と馬の止まるという「意思」が合致した時に起こります。


まさに以心伝心。ばんえい競馬は、馬の能力同様、人馬一体となる騎手の技術も勝敗を分ける重要なファクターとなります。