ばんえい競馬の馬は、「ソリを曳(ひ)く馬」ということから、『輓馬(ひきうま、又は、ばん馬)』と呼ばれることがあります。
ばん馬ばを見たことのある方なら、初めはその大きさにビックリされたことでしょう。馬体重は1トン前後で、サラブレッドの約2倍になります。カイバの量も2倍です。
でかい顔、極太の肢、でっぷりと膨らんだ腹、幅広い肩と背中、やっぱりでかい尻。
私が初めてばん馬を見たときはショックを受けました。
それまで馬といえば「サラブレッド」と思っていた私には、ばん馬が同じ「馬」の仲間とは思えず、もしかしたら、象の仲間か恐竜の生き残りでは?と真剣に思いました。
ばんえい競走馬の代表的な血統には、フランス産のペルシュロン種、ブルトン種、ベルギー原産場をアメリカで改良したベルジャン種などがあり、現在ではこれらの半血馬がばんえい競走馬の主流となっています。
毛色は、青毛、鹿毛、栗毛、芦毛、柏毛、最近では駁毛や白毛など多種多彩です。
まえ髪、たて髪、距毛、尾毛は、色彩豊かで各々に特徴的なので、顔や身体の白斑と併せて目印にすると馬が識別し易くなります。
巨体を躍動させ、長いたて髪をなびかせながら猛進するその姿は、まるで戦場に突進する野武士のようです。
しかし、こんなに無骨で堂々とした体格なのに、瞳を覗き込むと優しくて可愛い目をしているから不思議です。
人間と一緒で、なかにはいつもイライラ・ギラギラしている馬もいますが、ばん馬の多くは大人しくて温厚な性格のようです。